FAQでユーザーの問題解決率を上げる有効な方法は?

FAQのQとA(タイトルと回答ともいう)のクオリティを上げることです。

ユーザーの問題解決率を上げる有効な方法は、FAQ自体のクオリティを上げる以外にありません。

FAQサイトというとまずインターネット上の企業ホームページにあり、FAQページのバナー、FAQ検索システム、それからチャットボットやAIなど様々なものが思い浮かぶでしょう。さらにサイトそのものへの導線やSEO対策、サイトの構成やデザイン、PC・スマホ対応、関連ページへのリンクなども気にしなければいけません。無論それを巡る設定、分析、メンテナンスもFAQ運営には欠かせません。考えることは山ほどあります。FAQ運営のなんと大変なことか!

ところが、(こんなに大変なのに!)上記のシステムその他はいずれもユーザーがかかえる問題や困りごとを解決できるものではありません。ユーザーがFAQへ『到達するお手伝い』をしているだけです。ユーザーからすれば、べつに検索システムやチャットボットが欲しいわけではありません。ましてAIを使いたいわけではありません。早く問題を解決したいだけです。

FAQサイトを回転すし屋さんに例えてみると、
1. 店構えが立派で最新の注文システムがあるし、寿司はロボットが握っている 
2. 品ぞろえが数百もありとにかく豊富でカレーやパスタやお菓子まで回っている
3. ネタが新鮮で大きくて美味い、こだわりの米のシャリも絶品
どこも値段が同じなら、まあ、たいていの人は3を選ぶでしょう。そのとおり。寿司屋のコンテンツは寿司だからです。
FAQサイトのコンテンツはFAQです。

問題や困りごとを直接的に解決してくれるのはFAQコンテンツ(Qに書かれたこと、Aに書かれたこと)です。自分の求めているFAQがちゃんとあり、それが回答を与えてくれさえすれば、それで問題は解決できるのです。

極論を言うと、FAQコンテンツはインターネット上にある必要もありません。紙の冊子でも良いのです。
インターネットではないところで言うと、コールセンターにもFAQはあります。インターネットもシステムも介さず人がユーザーの問合わせ(Q)に答えて(A)問題を解決しています。もちろんコールセンターではコストがかかる。かといって紙媒体でも効率が悪い。そこでインターネット上のサイトにFAQコンテンツを掲載しようということになったわけです。

話を元に戻しましょう。FAQコンテンツはテキストです。テキストは言うまでもなく「文」です。そして今のところそれらは人が書いています。いまどきはAIでもテキストを書けちゃいます。要するにFAQコンテンツの元になるテキストは誰にでも書ける。会社がFAQサイトに公開するテキストも誰でも書けます。テキストが誰でも書けるということは、テキスト毎にクオリティが違うということも言えます。例えば、「カレーライスの作り方」を小学生が書くのと、料理の先生が書くのでは全く違うテキストになるでしょう。

FAQコンテンツというテキストの「クオリティ」を今一度考えてみてください。クオリティがあるということはその良し悪しもあるのです。すくなくともそこまではしっかり理解してください。すると今のあなたの会社のFAQコンテンツはクオリティが良いか悪いかを確かめてみるという発想になります。実際確かめてみると、アッと気づくことができるかもしれません。

たとえば次の2つを比べてどちらのFAQが高いクオリティだと思いますか?
Q1.今持っている保険を解約したい。
Q2. AA保険の解約に必要な手続きと書類を教えて。

一見同様なテーマの2つのFAQですが、クオリティの差は歴然としています。歴然としているのですが、ただテキストの書き方が違うだけなのです。比べてみると、Q1のどこがどう悪くて、Q2のどこがどう良いのかが分かりやすいと思います。
しかしこのようにBefore/Afterを見比べでもしない限り、普段はFAQのクオリティには気づかないかもしれません。実際にQ1のようなFAQは本物の企業のFAQサイトに無数にあるからです。

FAQコンテンツのクオリティは数字で測ることもできます。例えばあくまでも「目安」ですが、ユーザーが役に立った、役に立たなかったというアンケートの形で示してくれます。もしあなたの会社のあるFAQの役に立った率が30%程度なら、クオリティもその程度だと考えてください。

FAQコンテンツのクオリティを高める第一歩はなにか? まずはユーザーの立場であなたの会社のFAQを読んでみることです。ユーザーはこちらほど製品やサービスのことを知りません。こちらが常識だと思っている言葉も知らないかもしれないし、勝手な解釈をするかもしれません。だけどユーザーに問題を解決してもらうためのFAQコンテンツでなければいけません。そうなっているかを確かめつつ少しずつ修正してください。
今回は文字数の関係もありますので、サンプルはこれだけです。FAQのクオリティの良し悪しについて、またFAQのクオリティを上げる方法については本連載でさらに書いていきます。(つづく)

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